業務委託としての働き方

そもそも業務委託って?

業務委託美容師とは、美容室やヘアサロンに雇用されるのではなく、個人事業主として店舗と直接契約を結び、業務を委託されて報酬をもらう働き方です。

 

正社員のような雇用契約ではなく、美容室と直接契約することになります。

 

通常、美容師は店舗の正社員として雇用されて「給与」を受け取るのが一般的ですが、業務委託の美容師の場合は、個人事業主として店舗と契約し経営者から売り上げとして「報酬」を受け取ります。雇用関係ではなく提携関係になるので、お互いに自由度が高くなるのが特徴です。

 

 

業務委託の場合、聞きなれないかもしれませんが「給与」ではなく「報酬」と言います。

 

自由度は高いですが、美容室によってはミーテイング参加必須、掃除必須などの条件あり、美容室ごとで大きく異なりますので、しっかり契約書を確認しましょう。


業務委託の給与(報酬)について

業務委託サロンは一般サロンよりも高い還元率で、売り上げた分が報酬として反映されます。
そのため、稼ぎやすい環境であることには間違いありませんが、誰もが稼げるというわけではありません。

 

一般サロンの場合は固定給+歩合制(還元率はサロンによって異なるが業務委託サロンより低い)のシステムを導入していることがほとんどです。
業務委託サロンで働く場合は固定給がないため、多くのお客様に指名をいただいている美容師が稼げます。

 

最低保証給について

固定給はありませんが、はじめの数ヶ月間は最低保証給を設定している業務委託サロンもあります。
最低保証給とは、出勤日数や労働時間などのサロン側が提示する条件を満たしている場合に保証される報酬のことです。
初めて業務委託サロンで働く人や、入客に自信のない人にとってはありがたい制度といえるでしょう。

 

 

一般サロンと同じくらいの時間働けば条件を満たす場合がほとんどですが、条件に関してはサロンによって様々なので、必ず事前に確認するようにしましょう。

 

業務委託サロンの還元率の目安と月給シミュレーション

業務委託サロンの還元率はフリーで40%、指名は50%〜60%などと幅を持たせているところが多いです。
また、週2日の方は40%、週5日の方は50%など、出勤日数によって細かく振り分けられている場合もあります。

 

(例) カット+カラーの客単価5,000円・還元率40%のサロンの場合
1人あたりの報酬:5,000円×40%=2,000円

この金額が基本で、あとはお客様をどれだけ効率よく入客できるかによって売上かわります。

 

1日10時間勤務で8名入客の場合に1日に稼ぐ報酬:2,000円×8名=16,000円
24日出勤の場合に1ヶ月に稼ぐ報酬:16,000円×24日=384,000円(192名)

 

報酬を上げるためには、指名のお客様を増やすことが一番です。
また、トリートメントなどの追加メニューで単価アップすることも重要になります。

 

集客力のあるサロンで働けば稼げる?

業務委託で働く場合、集客はサロン側で行われますが、当然サロンによって集客数は異なります。
売上(=入客数)がそのまま自分の報酬に反映されるため、個人での集客にそれほど自信のない人は集客力のあるサロンを選ぶべきです。

 

ただし、単純に集客力のあるサロンで働けば多く入客できるというわけではありません。
集客数が多くても働くスタイリストの数も多ければ、自分の入客機会は増えないため、集客数とスタイリスト数のバランスが大切です。

 

単価や還元率の他にも、月間の集客数とスタイリスト数は事前に確認するようにしましょう。

 

稼ぎたい人の場合は、集客数だけでなく、単価や還元率、指名数など、すべてのバランスが重要になります。

 

 

僕の経験上「集客力のあるサロン=単価が低い」場合が多いですので、自分の体力やライフスタイルを考慮したうえでお店を決めることをおススメします。

 

大体の業務委託サロンは体験入店をおこなっておりますので。


業務委託のメリットとは?

業務委託で働くメリットは大きく5つあります。

 

1.歩合給の還元率が高い
2.勤務時間・休日を自由に決めることができる
3.マンツーマンで接客できる
4.複数のサロンで働ける
5.お金をかけずに集客できる

 

1.歩合給の還元率が高い

サロン側は美容師を雇用しないため、固定費となる人件費や社会保険料などのコストを抑えられる分、一般サロンよりも高い還元率で美容師に報酬を払うことができます。

 

歩合の還元率が高く、その分売り上げが報酬に反映されるため、集客が強いサロンで指名が増えれば高収入になりやすいです。

 

2.勤務時間・休日を自由に決めることができる

多くの業務委託サロンでは、シフト制で働く時間帯を選択できるようになっています。
朝から勤務したり、昼以降に出勤したり、1日通しで出勤したり、ある程度の希望に合わせて働く時間を選択することが可能です。

 

また、業務委託サロンの場合は土曜日や日曜日を休日にするなどの選択もできます。

 

3.マンツーマンで接客できる

業務委託サロンは通常アシスタントがいないため、基本的には1人で接客を行うことになります。
かけもち接客が少なくなるため、お客様満足度が向上しやすく、指名が増えやすいことが特徴です。

 

4.複数のサロンで働ける

一般サロンの雇用契約では、兼業禁止規定・副業禁止規定が入っている可能性が業務委託契約よりも高いです。

 

また、一般サロンの場合、労働法の関係で複数のサロンで勤務することは原則不可。
例えば、労働基準法にある労働時間の規制に関して、2つのサロンで従業員として兼務した場合、「両方の労働時間を合わせると規制を超えてしまう」などの問題が発生します。

 

業務委託サロンではこのようなしがらみが比較的少なく、複数のサロンで働けるケースが多いです。

 

5.お金をかけずに集客できる

集客は業務委託サロン側が行うため、手間や時間、お金をかけなくても入客できるチャンスがあります。
そのため、自分の顧客がいない状態からでもOK。

 

 

昔は業務委託でも最低勤務時間の設定がある美容室が多かったですが、最近ではママさん美容師さんなど時短勤務の方も増えています

 

そのため、時間の制約は昔に比べて少なくなってきています。


業務委託のデメリットとは?

正社員で働くデメリットは大きく5つあります。

 

1.報酬が固定ではない
2.税金・保険などの手続きを自分でやらなければならない
3.請求書を作成する必要がある
4.研修・勉強会などがほとんどない
5.インボイス制度の導入により税額控除が認められなくなる

 

1.報酬が固定ではない

正社員と違い、固定給がないため、集客がうまくいかなかった場合や体調を崩してしまった時には、報酬が低くなるというリスクがあります。
最近では所定の勤務日数や勤務時間を上回った場合、最低保証給などを設けている美容室もあり。

 

2.税金・保険などの手続きを自分でやらなければならない

業務委託契約の場合、社会保険はなく、国民健康保険や国民年金に加入し、自身で保険料を支払わなければなりません。
得た収入の金額によっては、社員として働くよりも手取りが低くなる場合があるため注意が必要です。

 

また、個人事業主は開業届の提出や確定申告をする必要があり、自分自身の給与や経費、税金の支払いについてもしっかり管理をしなければなりません。
確定申告を怠ると脱税になってしまいます。

 

3.請求書を作成する必要がある

雇用契約を結んで働く場合は、サロン側が給与計算をして美容師に給与を支払うため、美容師が請求書を作成する必要はありません。
一方で業務委託契約の場合、報酬を計算して請求書を作成し、サロンに提出する必要があります。
毎日提出する場合、月に一回まとめて提出など美容室により異なります。

 

4.研修・勉強会などがほとんどない

業務委託サロンでは、サロン側が主催する研修や勉強会はほとんどないため、自分でスキルアップする必要があります。
独立してやっていくために十分な技術や向上心がないと、厳しい環境であるとも言えます。

 

5.インボイス制度の導入により税額控除が認められなくなる

業務委託の報酬は消費税込みで支払われており、年の報酬額が1,000万円以下の免税事業者であれば、納税の義務が免除されています。

 

しかし、2023年10月1日に導入予定のインボイス制度により、この税額控除が認められなくなるのです。
消費税を納税している美容師(課税事業者)であれば導入後も税額控除が適用されますが、免税事業者は税額控除が認められなくなります。

 

これにより、美容師側は歩合の還元率が下がる可能性や、お金の管理を自身で行う手間が増える可能性が出てくるでしょう。

 

 

インボイス対策として、メニュー単価を上げて、歩合の還元率が下げるのを防止してくれる美容室、歩合率を上げて報酬をキープさせてくれる良心的な業務委託サロンも増えてきています。

 

また、インボイスは優遇措置なども発表されてきているのでご確認ください。


業務委託で働く時、これだけは絶対確認しましょう

業務委託サロンで働く時に確認しておいた方が良いことをお伝えします。

 

1.契約期間や更新を確認する

業務委託契約では、契約書に定められた内容によって契約期間が終了することがあるため、雇用契約と比較して職を失いやすい不安定な立場にあります。

 

契約期間や更新の有無をサロン側にしっかりと事前確認しておきましょう。

 

2.業務委託契約書を必ず作成する

口頭の打ち合わせのみで業務契約を行うサロンもあるようですが、トラブル防止のため、業務に入る前に明確な契約書を交わしておくことをおすすめします。

 

取引条件や業務配分などをサロン側と話し合った上で、お互いが合意した内容を書面にしておくことが大切です。

 

業務委託契約書の内容について

業務委託契約書には、報酬や勤務時間、業務内容、契約期間に関する内容などを明記しておきましょう。

 

報酬は金額だけでなく、源泉徴収や健康保険、残業時の取り扱いなどについてもすり合わせが必要です。
また、サロン側は原則として契約書にない業務を美容師に依頼することはできません。
詳細な業務内容を記載し、サロン側の業務指示にどの程度従うかも確認が必要です。

 

契約期間や更新の有無、契約解除の手続き、期間中であっても終了する条件や契約終了前の告知期限なども明記します。
その他、兼業の可否や設備の用意・利用のルールなども契約書に記載されているとトラブルを防止できます。

 

 

僕の経験上、業務委託契約書がない業務委託サロンはあまりおススメ出来ません

 

契約書がない場合、働き手に不利な条件を急に言ってくる美容室も存在します。